日本語教師のための教案を作成しました。日本語学校での初日授業を想定した教案です。これから日本語教師になられる方や、初めて初日授業をされる方の一つのご参考になればと思います。
教案ファイル
日本語教師ピック教案、以下からファイルの閲覧またはダウンロードができます。
教案【対象・目的】
対象:初級クラス 初日3・4時間目
範囲:「みんなの日本語」1課…新出語、B1~B4、C1~C2
目標:「~は~です。/~じゃありません。」「〜ですか。/はい、〜。いいえ、〜。」の使い方が分かり、使えるようにする。
▽初日「1・2時間目」から見たい方はこちらから。
教案「新出語」
新出語彙の導入
・イラストを使用して、職業名の導入。
「先生/教師」「学生」「会社員/社員」「銀行員」「医者」「研究者」
・イラストを使用して、建物の導入。
「学校」「会社」「銀行」「病院」「大学」
イラストFCで繰り返し練習し、ここでなるべく覚えられるようにしましょう。
教案「〜は〜です」
~は~(国名)人です
・様々な国の国旗カードを黒板に貼っていく。
「アメリカ」「日本」「中国」「韓国」「イギリス」「タイ」「ドイツ」「ベトナム」「スリランカ」「ネパール」「ミャンマー」「フランス」…
T:私は?
S:日本?
T:日本人
S:日本人
T:Aさんは?
S:中国人
(何人か聞いていく。)
T:わたし・日本人
T:わたしは日本人です。
「わたしは◯◯人です。」
・全員が発表できるようにする。
・人物カードを提示する。
「ミラーさん」「山田さん」「ワットさん」「タワポンさん」「シュミットさん」(名前はカタカナを習ってなかったらひらがな、または、Aさん、Bさん、Cさんなどでもいい。)
・人物カードの下に国旗カードを提示し、以下の文に導く。
T:ミラーさんは?
S:ミラーさんはアメリカ人です。
「ミラーさんはアメリカ人です。」
「山田さんは日本人です。」
「ワットさんはイギリス人です。」
「タワポンさんはタイ人です。」
「シュミットさんはドイツ人です。」
~は(職業)です
・職業カードで復習をする。
T:わたし・教師(先生)
T:わたしは教師(先生)です。
「わたしは学生です。」
「キムさんは学生です。」
・何人かを指名し、自分のことや誰かのことについて話す。
・職業カードを人物カードの下に提示し、下の文を導く。
「ミラーさんは会社員です。」
「山田さんは銀行員です。」
「ワットさんは先生です。」
「タワポンさんは学生です。」
「シュミットさんは会社員です。」
・配布用職業カードを人数分用意しておき、カードをランダムに渡す。それぞれ役になりきって発表する。
「わたしは医者です。エティエンヌさんは会社員です。」など。
・「さん」の導入をしておきましょう。「わたしはリーさんです」といった誤用がよくあります。試しにに言わせてみましょう。
・色々な業種で言わせることで、新出語の定着に繋げられます。
教案「〜は〜じゃありません」
~は~じゃありません
T:わたしは日本人です。
T:わたしはアメリカ人…?
S:日本人です。
T:わたしはアメリカ人…じゃありません。
「わたしは〇〇じゃありません。」
・国旗カードを見せて、それに合わせて文を1人ずつ言わせる。
「わたしはドイツ人じゃありません。」など。
T:わたしは教師(先生)です。
T:わたしは学生?
S:学生じゃありません。
T:わたしは学生じゃありません。
T:Aさんは先生?
S:わたしは先生じゃありません。
「わたしは〇〇じゃありません。」
・口が慣れるまで個別練習を行う。
・
職業カードを見せて、それに合わせて文を1人ずつ言わせる。
「わたしは銀行員じゃありません。」など。
・人物イラストから考える。
T:山田さんは日本人?
S:山田さんは日本人です。
T:山田さんはドイツ人?
S:山田さんはドイツ人じゃありません。
T:ワットさんはタイ人?
S:ワットさんはタイ人じゃありません。
T:タワポンさんはアメリカ人?
S:タワポンさんはアメリカ人じゃありません。
T:シュミットさんは中国人?
S:シュミットさんは中国人じゃありません。
T:ミラーさんは会社員?
S:ミラーさんは会社員です。
T:ミラーさんは銀行員?
S:ミラーさんは銀行員じゃありません。
T:山田さんは?
S:山田さんは銀行員です。
T:ワットさんは?
S:ワットさんは医者じゃありません。
T:タワポンさんは?
S:タワポンさんは先生じゃありません。
T:シュミットさんは?
S:シュミットさんはドイツ人です。
「じゃありません」「です」を、使い分けられるように練習しましょう。
教案「〜ですか」
「~か」の導入
T:Aさん?(分かりませんカード)
T:Aさんですか。
S:Aさんです。
T:(だめ)Aです。
S:Aです。
T:日本人ですか。(分かりませんカード)
S:日本人じゃありません。
T:会社員ですか。
S:会社員じゃありません。
(ひらがな「か」を学習していたら、板書しても分かりやすい。)
~は~ですか。…はい、~です。/いいえ、~じゃありません
・絵カードを見ながら応答練習
T:アメリカ人?
T:アメリカ人です…。
S:アメリカ人ですか。
T:ミラーさんはアメリカ人ですか。
S:ミラーさんはアメリカ人です。
T:はい、アメリカ人です。
S:はい、アメリカ人です。
T:山田さんは銀行員です…
S:山田さんは銀行員ですか。
T:山田さんは銀行員ですか。
S:はい、銀行員です。
・同様に「はい」を用いる応答練習をいくつか練習する。
「S:ワットさんは先生ですか。」「S2:はい、先生です。」など。
T:ワットさんはイギリス人ですか。
S:イギリス人じゃありません。
T:いいえ、イギリス人じゃありません。
S:いいえ、イギリス人じゃありません。
T:山田さんは学生ですか。
S:いいえ、学生じゃありません。
・同様に否定の応答練習をする。
「S:ミラーさんは医者ですか。」「S2:いいえ、医者じゃありません。」
・職業カードを人数分用意しておき配る。職業になりきって、相手の職業を当てるゲームをする。
「S:グウさんは先生ですか。…いいえ、先生じゃありません。」など。
ペア練習中は教室内を見てまわり、言えているかどうか確認をしましょう。
教案「会話練習」
☆会話練習C1
~から来ました
・世界地図を提示する。
T:わたしは日本人です。
T:トムさんは?
S:わたしはアメリカ人です。
T:トムさんはアメリカ人。アメリカ。(国を指す)アメリカ・来ました。アメリカから来ました。(アメリカから日本に飛行機で来るように示しながら)
・同様にそれぞれの国で言わせる。
「わたしは〇〇から来ました。」
・絵カードを提示し、会話文を導き全体練習をする。
A:「初めまして。」
B:「〇〇です。」
A:「アメリカから来ました。どうぞ、よろしく。」
B:「どうぞ、よろしく。」
・ペア練習をする。
・全てのペアが前で発表できるようにする。
☆会話練習C2
・「名前」「分かります」「分かりません」の復習
失礼ですが
T:Aさん、(Bさんを指して)名前分かりますか。
T:(Bさんに)名前は?(失礼な感じで)
T:だめ。
T:(Bさんに)お名前は?(おを強調)
・違いが分かるまで、比べさせる。
・さらに「失礼ですが」を付け足し、もっと丁寧な感じを伝える。
・以下の会話ができるように学生とやり取りしながら導く。
T:「失礼ですが、お名前は?」
S:「Aです。」
T:「Bさんですか。」
S:「いいえ、Bじゃありません。Aです。」
・ペア練習
・ペア発表
教案「振り返り」
・新出語をもう一度練習する。
・苦手なところをもう一度復習する。